先日、虎ノ門ヒルズへ行ってきました。
今回のお目当ては、ベーカリー&グリル沢村でのランチ。
美味しいものを食べる時間は、私にとって小さな幸せのひとつです。

けれど、この日は食事だけでは終わりませんでした。

美味しい料理に、思わず見入ってしまうアート。そして、建築そのものの美しさ。

何気なく訪れた場所で、思いがけず心が満たされる一日になりました。

ベーカリー&グリル沢村でランチ

訪れたのは、虎ノ門ヒルズ 森タワーにある「ベーカリー&グリル沢村」。

パンの販売だけでなく、レストランで食事も楽しめるお店です。

パン屋さんから生まれたお店ということもあって、食事を楽しんだあとにパンを持ち帰れるのも魅力。

今回いただいたお料理の中で、特に印象に残ったのは、めかじきのお魚料理でした。

お魚料理は、素材の味や火の入れ方によって印象が変わるもの。
今回のめかじきは、とても美味しくて、食事の時間をゆっくり楽しむことができました。

美味しい料理を前にすると、自然と会話も弾みます。
慌ただしい日常から少し離れて、目の前の食事を楽しむ。
そんな時間も、私にとっては大切なひとときです。

名前も味も印象的。「大人のプリン」

そして、この日いちばん忘れられないデザートがありました。

その名も「大人のプリン」。

名前を聞いただけでも、ちょっと気になりませんか?笑

実際にいただいてみると、本当に大人の味。

お酒の風味が感じられ、苦味と甘みが絶妙に重なります。
ただ甘いだけではない、奥行きのある味わい。
この苦味と甘みの組み合わせが、私にはたまらなく美味しかったのです。
プリンというと、どこか懐かしくて優しい甘さを思い浮かべます。
でも、このプリンは少し違いました。
甘さの中にほろ苦さがあり、そこにお酒の風味が加わる。

まさに「大人のプリン」という名前がぴったり。

また食べたいと思える、印象的なデザートでした。

※アルコールが気になる方は、注文前にお店で確認してください。

思わず足を止めた、不思議な人のモニュメント

食事だけでなく、虎ノ門ヒルズの中で出会ったアートも印象に残っています。

最初に見たとき、私は思いました。

「人?」

白い大きなモニュメントが、人の形をしているように見えたのです。

何をイメージして作られたのだろう。

そんなことを考えながら眺めていると、あることに気づきました。

「あれ? 文字が入っている?」

よく見ると、さまざまな文字が組み合わさって、人の形を作っています。
そこからは、もう文字探しです笑

ひとつ見つけると、別の文字も探したくなる。
見れば見るほど不思議で、面白い。
その場では作品についての説明を見つけられなかったので、帰ってから調べてみました。

世界の文字でつくられた彫刻『ルーツ』

この作品は、スペイン出身の彫刻家、ジャウメ・プレンサによる『ルーツ(Roots)』。

世界のさまざまな言語の文字を組み合わせ、人の姿を形づくった作品です。

そこには、文化や言語の違いを越えて、人々が平和に共存することへの願いが込められています。
調べてみて、なるほど、と思いました。

異なる国の文字を使って、ひとつの人の姿をつくる。
言葉も文化も違うものが、ひとつの形になる。
その発想力が、なんとも素晴らしい。

私は最初、作品の意味も知らず、ただ不思議な形に興味を持ちました。
けれど、背景にある想いを知ったことで、もう一度見てみたくなったのです。

アートは、見た瞬間にすべてを理解できなくてもいい。

「これは何だろう?」

そんな小さな疑問から、新しい世界が広がることもあるのだと思いました。

虎ノ門ヒルズの建築に感じた、空間の豊かさ

そして、もうひとつ心に残ったのが、虎ノ門ヒルズの建築です。

建物の中を歩きながら、何度も周囲を見渡してしまいました。

デザインの美しさはもちろんですが、私が特に心地よいと感じたのは、空間の使い方でした。

一見すると、何も置かれていない、無駄にも思える空間。
でも、その余白がとても心地よかったのです。

以前、建物のデザインに関わったことがあります。
そのときに感じたのは、思い描いたものを実際の建物として形にすることの難しさでした。

デザインには自由な発想が必要です。
一方で、建築には法律や安全性、構造など、さまざまな条件があります。

理想を描くだけでは、建物は完成しません。
だからこそ、虎ノ門ヒルズの空間を見て、ここに至るまでにどれほど多くの工夫や検討が重ねられたのだろう、と考えました。

もちろん、実際の設計過程を知っているわけではありません。
それでも、こうした空間を形にすることの難しさを少しだけ知っているからこそ、建築に携わった人たちの仕事にも思いを巡らせたのです。

そして、改めて感じました。

無駄に見えるものが、必ずしも無駄とは限らない。

余白があるからこそ、美しく見えるものがある。
空間にゆとりがあるからこそ、人は心地よさを感じることがある。
効率だけを追い求めていては、生まれない豊かさ。

そんなものが、この建物にはあるように感じました。

美味しいものと、美しいものに出会う時間

この日は、美味しいランチを楽しむつもりで訪れた虎ノ門ヒルズ。
けれど、振り返ってみると、食事だけでなく、アートや建築からもたくさんの刺激をもらいました。

めかじきのお料理の美味しさ。

苦味と甘みが重なった、大人のプリン。

世界の文字で形づくられた、不思議な人の彫刻。

そして、何もない空間にさえ美しさを感じられる建築。

それぞれ違うものだけれど、どれも誰かの発想や工夫によって生まれたものです。

美しいものに出会ったとき、その背景にある人の想いや努力まで想像してみる。
そうすると、目の前の景色が少し違って見える気がします。
特別なことをしなくても、日常の中には心を動かされる瞬間がある。

そんな小さな発見を、これからも大切にしていきたいと思います。

またひとつ、訪れたい場所が増えました。

有村真理愛