私は、話すのがゆっくりな人が好きです。

早口で話す人を見ると、頭の回転が速くて、仕事ができる人なんだろうなと思うことがあります。
次から次へと言葉が出てきて、話もどんどん進んでいく。
それはそれで、ひとつの魅力なのだと思います。
でも、これはあくまで私個人の好みなのだけれど。

私は、少し間をとりながら、言葉を選んで話す人のほうに惹かれます。
そこに、心の余裕や品を感じるからです。

そして、もうひとつ。

単純に私が、速すぎる会話についていけないことがあります。笑
私の笑いは、少し遅れてやってくる。

以前、人気のあるお笑い芸人さんたちのコントを見ていたときのこと。
とにかく、会話のテンポが速いんです。

「え?何?何?」

と、私がさっきの言葉を理解しようとしている間に、もう次の話へ進んでいる。
やっと意味がわかって、

「あ、そういうことか!」

と笑った頃には、もう違うネタになっています。笑
そして今度はそっちを理解しようとして、また「何?何?」となる。

そんなことを繰り返しているうちに、コントが終わってしまいました。
面白くないわけではないんです。
私の笑いが、ずっと数秒遅れてやってくるんです。笑

人気のある芸人さんたちなので、きっとあのスピード感も面白さのひとつなのだと思います。
ただ私は、どうやら笑うためにも少し「間」が必要らしい。
言葉を受け取って、理解して、それから笑う。

そんな時間まで含めて、私は会話を楽しんでいるのかもしれません。

相手のペースに合わせていた頃

以前、私は「話し方」について書かれた本を読んだことがあります。

そこには、相手のペースに合わせて話すことの大切さが書かれていました。

なるほど、と思いました。

それから私は、できるだけ相手の話すペースに合わせるようにしていました。

ゆっくり話す人には、ゆっくり。
テンポよく話す人には、私も少しテンポを上げて。
相手にとって話しやすい人でいたい。
きっと、そんな気持ちもあったのだと思います。
でも、続けているうちに、なんとなく違和感を覚えるようになりました。

早口な人と話していると、私までどんどん早口になっていく。
会話はスムーズなのかもしれない。
だけど、なんだか私らしくない。
そして、ふと思ったのです。

相手に合わせるということは、話す速さまで同じにすることなのかな・・・と

そして 私は、私のペースで話す

それから私は、相手がどれだけ早口でも、自分まで急いで話すことをやめました。
私は、私のペースで話す。
少しゆっくり。
言葉と言葉の間に、ほんの少し余白を残しながら。
不思議なもので、自分がゆっくり話していると、相手の話も以前よりよく聞けるような気がします。

次に何を言おうかと焦らなくていい。
相手の表情を見る余裕もできる。
言葉そのものだけではなく、その人がどんな気持ちで話しているのかまで感じられることがあります。
私は、そんな会話のほうが好きです。

速さではなく、心に合わせる。
だからといって、誰に対してもまったく同じ話し方をするわけではありません。
話す速さは大きく変えなくても、相手によって声のトーンは変えます。

明るい人と話すときは、私も少し明るく。
静かな人と話すときは、少し落ち着いた声で。
悩んでいる人と話すときは、いつもより柔らかく。

大切なのは、相手と同じ速さで話すことではなくて、
相手の心に合わせて話すこと。

今の私には、そのほうがしっくりきます。

若い頃は、会話にも「上手に話すこと」が大切だと思っていた気がします。
でも今は、少し違います。
上手に話すことよりも、相手が安心して言葉を置ける人でありたい。
そして、自分自身も急がずに言葉を選べる人でいたい。

ゆっくり話すということは、ただ言葉を遅くすることではなく
相手の言葉が入ってくる余白を、自分の中に残しておくことなのかもしれません。

私は、そんな余白のある女性でいたいと思っています。