美導線
——美は、導線に置く。
歳を重ねるほど、美容はやる気だけでは続きません。
やる気は朝のほんの一瞬なのに、暮らしの導線は夜も朝も同じ場所を通っています。
台所も仕事も、流れで決まる。
お手入れも、気合いより先に、通る道で決まるのだと思います。
面倒くさがりな私でも続いているのは、頑張ったからではありません。
置いたからです。
それが、「美導線」
お風呂を出る前に、体へうるおいミルクを塗ります。
ビオレのお風呂で使えるうるおいミルクを、出口のいちばん最後に置いてあります。

タオルで体を拭いた手が、次に触れる位置。
保湿しなければ、と思う前に、もう手がそこへ伸びます。
続く理由は根性ではなく、置き場所です。
朝は忙しい。だから、美容のための時間は作りません。
キッチンへ向かう途中にウォーターサーバーを置き、体温より少し温かいお湯をコップ一杯いただきます。
その横に、吹きかける化粧水。
私が使っているのはキュレルのディープモイスチャースプレーです。

このシリーズが好きなのです。
無香料で、きちんと保湿してくれる。
朝の台所に香りを広げないことも、動線に置くものとしては大切です。
お湯を沸かし、朝ごはんとお弁当の下ごしらえをしながら、顔にひと吹き。
サーバーへ行くたびに、もう一度。
水を飲む動きが、そのまま顔の手入れになります。
朝の自分に、ケアしなさいと言わなくていいのです。
洗面台でもキッチンでも、手を拭くタオルの隣にハンドクリームとネイルオイルを置いてあります。
洗う、拭く、塗る。
それだけの流れです。
爪も手も、鏡の前に座らなくていい。
水仕事のあとがいちばん効く時間だから、そこに置きます。
乳液は出口に、化粧水はサーバーの横に、クリームはタオルの隣に。
通る場所に置いたものだけが、面倒くさがりな私にも残ります。
気合いを置かない。
置き場所を決める。
続く美しさは、意志の強さではなく、暮らしの形です。
朝の台所に、お風呂の出口に、タオルの隣に。
小さな光を、通る道へ置いておく。
美は、導線に置く。