私には、尊敬している女性がいます。

その一人が、ココ・シャネル。

世界的なファッションブランド「CHANEL」を生み出した女性です。

もちろん、彼女が作り上げた美しい洋服やバッグにも魅力を感じます。
でも、私が本当に惹かれているのは、そこではありません。
私が尊敬しているのは、ココ・シャネルという一人の女性の生き方です。

男性が社会の中心にいた時代に、自分の考えを持ち、自分の仕事を築き上げた女性。

彼女の人生を知るほど、私はその強さに心を動かされました。

ココ・シャネルとの出会いは、一冊の本から

私が彼女に興味を持ったきっかけは、本屋さんでした。

当時の私は、社会で活躍した女性の生き方に関心がありました。

そこで出会ったのが、ココ・シャネルです。

最初からブランドの創業者として憧れていたわけではありません。
彼女がどんな時代を生き、何を考え、どうやって自分の道を切り開いたのか。
それを知りたくなったのです。
一冊読むと、また別の本が読みたくなる。

そうして何冊も読み進めるうちに、彼女の考え方は、私自身の仕事や人生にも影響を与えるようになりました。

女性が自分の道を切り開くことが難しかった時代

ココ・シャネル、本名ガブリエル・シャネルは、1883年にフランスで生まれました。
1910年にはパリで帽子店を開き、その後、洋服の分野へと活動を広げていきます。

当時の女性の服装には、身体を締めつけるコルセットなど、動きやすさよりも見た目や慣習が優先されるものがありました。

シャネルは、そうした常識にとらわれず、シンプルで動きやすい服を提案しました。

それまで男性用の下着などに使われていたジャージー素材を、女性の洋服に取り入れたことも、その一つです。
彼女は、ただ流行を追いかけたのではありません。

女性がもっと自由に、活動的に生きられるような服を生み出していったのです。
もちろん、彼女の成功は一人だけの力で実現したものではありません。事業を始めた頃には、周囲からの資金援助も受けていました。
それでも、自分の美意識を仕事として育て、社会に新しい価値を示したことは、私にとって大きな魅力です。

今の時代にも残る、女性として働く難しさ

現代は、女性が社会で活躍することも、会社を経営することも、以前ほど珍しくなくなりました。

それでも、性別による先入観を感じる場面はあります。

私自身、仕事をする中で、女性だから軽く見られているのではないか、と感じたことがあります。

もちろん、すべての人がそうではありません。

性別に関係なく、一人の人間として尊重してくださる方もたくさんいます。

それでも、女性というだけで、実力や判断力を十分に見てもらえていないと感じる瞬間があるのです。

そんな経験があるからこそ、私はシャネルの生きた時代に思いを巡らせます。

今よりも女性が自分の仕事を築くことに多くの制約があった時代。

その中で、彼女は自分の考えを形にし、事業を育てていきました。

どれほどの努力が必要だったのだろう。

どれほど悔しい思いをしたのだろう。

そう考えると、彼女の残したものが、単なるファッションブランドには思えなくなるのです。

「真似されて初めて本物になれる」という言葉

私がココ・シャネルに関する本を読んで、特に心に残った言葉があります。

「真似は大いに結構。真似される価値があるから
真似されるの。本物の証拠なの」

この言葉を知ったとき、私は思わず納得してしまいました。

「そうか……そういう考え方もあるのか」と。

私は以前、自分が仕事で考えたことを周囲に真似されると、腹が立つことがありました。

時間をかけて考え、工夫して、ようやく形にしたもの。

それを真似されると、悔しかったのです。

でも、この言葉に出会ってから、少しずつ考え方が変わりました。

真似されるということは、それだけ誰かが価値を感じてくれたということなのかもしれない。

誰も真似したいと思わないものより、真似したいと思われるものを生み出せたのなら、それは喜ばしいことなのかもしれない。

そう思えるようになったのです。

今では、心の中でこう思っています。
「どうぞ、どんどん真似してくださいな。」

少し偉そうでしょうか。笑

もちろん、何でも真似してよいという意味ではありません。
人の権利や努力を尊重することは大前提です。
それでも、誰かに真似されることを恐れて立ち止まるより、私は次の新しいものを生み出していきたい。

真似されることに腹を立てていた私が、真似されることを一つの評価として受け止められるようになった。

ココ・シャネルの言葉は、私の仕事への向き合い方を変えてくれました。

私がシャネルの生き方から学んだ3つのこと

彼女の人生を知り、私自身の経験と重ねる中で、特に大切だと感じたことがあります。

1.周囲の常識だけで、自分の可能性を決めない

「女性だから」

「もうこの年齢だから」

「今まで誰もやっていないから」

そんな理由で、挑戦する前から諦めてしまうのは、もったいないと思います。

もちろん、現実には簡単に変えられない環境もあります。

それでも、自分にできることを探し、少しずつ行動することはできます。

2.自分の考えを持ち続ける

シャネルの服には、彼女自身の美意識がありました。

誰かの評価を気にすることと、自分の考えを失うことは違います。

人の意見に耳を傾けながらも、自分が大切にしたいものは何なのか。

それを見失わずにいたいと思っています。

3.年齢を理由に、自分の人生を諦めない

私が特に心を動かされるのは、シャネルが71歳でファッション界への本格的な復帰を果たしたことです。

一度仕事から離れたあと、再び自分の作品を世に送り出す。

その挑戦は、決して順風満帆なものではありませんでした。

それでも彼女は、そこで終わらなかった。

年齢を重ねたからこそ持てる経験や、美意識もあるはずです。

私も、これからの人生で新しいことに挑戦していきたい。

そう思わせてくれるエピソードです。

尊敬することと、すべてを肯定することは違う

ココ・シャネルの人生には、輝かしい功績だけがあったわけではありません。

第二次世界大戦中の行動など、歴史的に批判や議論の対象となっている側面もあります。

私は、誰かを尊敬するからといって、その人のすべてが正しかったと考える必要はないと思っています。

素晴らしい功績から学ぶこと。

間違いや問題のあった行動には、目を背けないこと。

その両方が大切なのではないでしょうか。

私が彼女から学びたいのは、自分の考えを持ち、仕事に向き合い、何度でも挑戦しようとする姿勢です。

私も、自分の人生を自分でつくっていきたい

ココ・シャネルを知ってから、私は仕事に対する考え方が少し変わりました。

誰かに真似されることを恐れるより、自分が新しいものを生み出すこと。

年齢を理由に諦めるより、今の自分にできることを探すこと。

周囲の評価だけでなく、自分自身が納得できる生き方を選ぶこと。

簡単なことばかりではありません。

私だって、悔しい思いをする日も、思いどおりにいかない日もあります。

それでも、最後には自分の人生を振り返って、よく頑張ったと思える女性でありたい。

美しく生きるということは、外見を整えることだけではない。

自分の考えを持ち、自分の足で歩き、自分の人生を諦めないこと。

私は、そんな女性でありたいと思っています。

そして、ココ・シャネルの生き方は、今も私にそのことを思い出させてくれるのです。

有村真理愛