私には、心を整えたいときに訪れる、お気に入りの場所があります。

緑に囲まれ、澄んだ空気が流れ、綺麗な景色が広がる場所。

仕事で嫌なことがあった日や、なんとなく気持ちが晴れない日。
そんなとき、私は愛犬たちを連れて、そこへ出かけます。

いつもの美味しいものを食べて、景色を眺めて、ゆっくりと過ごす。

ただ、それだけのことなのに、帰る頃には不思議と心が落ち着いているのです。

笑顔でいることを覚えた日

私は3歳からバレエを習っていました。

バレエでは、どんなに疲れていても、舞台の上では美しく、笑顔でいることを求められます。
難しい振り付けに必死になっているときも、思いどおりに身体が動かないときも。
観客に見せるのは、苦しそうな顔ではなく、舞台の上の自分です。

幼い頃から繰り返してきたその習慣は、大人になった今も、私の中に残っています。

仕事で思いどおりにいかないことがあっても、その苛立ちを周囲の人にぶつけない。

自分の感情と、仕事で果たすべき役割は別のもの。

それが、私なりのプロとしての姿勢です。

もちろん、いつも穏やかな気持ちでいられるわけではありません。
腹が立つ日も、納得できない日もあります。
その場では笑顔で過ごしていても、後になって思い出し、「あのときは腹が立ったなあ」と、また少し怒ってしまうことだってあります。

笑顔でいることと、何も感じないことは違うのです。

人との時間を、楽しい時間にしたい

私は、誰かと過ごす時間を、できるだけ楽しいものにしたいと思っています。

もちろん、悩みを打ち明けたり、話を聞いてもらったりすることも大切ですし、聞きて役になることのほうが多いです。悩みなどは真剣に聞きます。


けれど私自身のことは、嫌な出来事を何度も思い返して話すより、もっと別の話をして笑っていたい。
せっかく一緒に過ごせる時間なのだから、美味しかったものや、楽しかったこと、これからやってみたいことを話したいのです。

だから、嫌な気持ちを抱えたときは、まず自分で気持ちを整える方法を選びます。

私だけの、小さなパワースポット

私にとって、そのお気に入りの場所は、小さなパワースポットのような存在です。

愛犬たちと歩き、美味しいものを食べ、季節ごとに表情を変える景色を眺める。
そこで過ごしていると、さっきまで頭の中をいっぱいにしていた出来事が、少しずつ遠ざかっていきます。

もちろん、問題そのものが解決するわけではありません。
けれど、心が落ち着けば、同じ出来事を少し違う角度から考えられることもあります。

そして、私がそこへ出かけるのは、嫌なことがあった日だけではありません。

ただ、行きたいから行く。

楽しいから行く。

幸せな気持ちになれるから行く。

理由なんて、それだけで十分なのです。

自分を幸せにする方法を知っておく

「自分のご機嫌は、自分でとる。」

私が昔から大切にしている言葉です。

それは、誰にも頼らず、何でも一人で抱え込むという意味ではありません。

疲れたときには休んでもいいし、誰かの力を借りてもいい。

ただ、自分が何をすると心地よくなれるのか、何に幸せを感じるのかを知っておきたいのです。

好きな景色。
美味しい食べ物。
愛犬たちと過ごす時間。

そんな小さな幸せを、日常の中にいくつも持っておく。
そうすれば、嫌なことがあった日も、そこから少しずつ自分を取り戻せる気がします。

人生には、自分の思いどおりにならないことがたくさんあります。
けれど、そのあとをどんな気持ちで過ごすかは、自分で選べることもある。

今日も私は、自分の心が喜ぶ時間を大切にしたい。

ご機嫌な毎日は、きっとそんな小さな選択の積み重ねなのだと思います。